僕は昨年の 5 月に失踪した。
仕事の休憩中に休憩室でいきなり涙が出てきて耐えられなくなった。様々な感情が止め処なく溢れ出してきて押しつぶされた。もう何もかもが嫌だった。逃げ出したくなった。逃げ出さなくては完全に壊れてしまうと感じた。だから僕は逃げ出した。
逃げ出した僕は家に帰らずネカフェに泊まっていた。何もしなかった。何も出来なかった。自殺したいという感情もなかった。完全に無だったと思う。正直なところこの時の記憶はあまり詳しく残っていないので確かなことは言えないが、常に泣くか寝るかを繰り返していた。誰とも連絡は取らなかった。不安だった。
そんな状態を数日間続けて、多少気持ちが安定したことで僕は病院に行った。不安だった。僕がどのような状態になってしまったのかを知るのが不安だった。問診をして、出された診断は適応障害だった。薬を処方されて、しばらくの間は仕事を休み休養するようにと言われた。
失踪してから 2 週間程が経過してようやく僕は職場に電話した。自分の今の状態を伝えた。怖かった。不安だった。怒られると思っていた。だけどそうじゃなかった。心配されていた。少しお話をして、そこからさらに休みをもらった。
なぜこの文章を投稿したのかというと、この出来事が記憶から消えていく前に形として残しておきたかったからだ。未来の自分に真面目に頑張っている人には社会は案外優しいものだったということを、つらいときは頑張らなくてもいい、逃げ出してもいいということを伝えたかったからだ。